建物の解体工事などで発生するブロック塀などの不要なアスファルトやコンクリートを撤去するときの手順はご存じですか?撤去工事にはいくつかの種類があり、それぞれでかかる費用が異なります。また撤去をするさいに、済ませなければならない手順もいくつか存在します。
そこで今回は、アスファルトやコンクリートの撤去をおこなう工事の種類や手続きなどの撤去工事のおもな流れなどをご紹介します。この記事を読んで、アスファルトの撤去工事についての知識を手に入れてましょう。
目次
解体工事のおもな流れ
まずは、不要なアスファルトなどが発生する解体工事をおこなうさいの、おおまかな流れをご紹介していきます。
1.解体工事の現地調査・お見積り
最初は、解体工事をおこなう場所の調査をおこなう必要があります。この調査で、解体する建物の種類や実際に作業をおこなう場所やその近隣の環境、搬入搬出をおこなうためのルートなどを確認していきます。
そして、その確認した情報をもとに、解体作業をおこなうために使用する重機車両などを選択していきます。その情報をもとに、解体工事にかかる費用の見積もりを出します。そして実際にどのような解体方法で工事をするのかなどを業者に説明してもらいます。
2.届け出の提出・手続きなどを行う
解体工事の契約を業者とおこなったあとは、解体する建物の規模が80平方メートルを超える場合に建築リサイクル法の定めにより市区町村に届出をする必要があります。この届出から大体1~2週間後から解体工事をおこなうことが可能の場合が多いですが、市区町村により異なりますので、確認するようにしておきましょう。
3.周囲の方へのあいさつ
業者との契約や役所への手続きをおこないましたら、ついに工事に着手するのですが、その前に工事現場の周囲の人達へのあいさつをおこないます。そのさいに、おこなわれる解体工事の概要や工程、そして緊急時の連絡先も伝えておきます。
4.工事に着手する
工事前のあいさつも済み、ついに工事に着手します。解体工事の期間中はその環境に合わせて、防音や振動、安全対策などを徹底するようにしましょう。
5.工事をしたときに発生した廃材の運搬
解体工事をおこなうと、さまざまな廃材が発生します。そうした廃材は分別をおこなったのちに、処理施設へと搬送してもらいます。その搬送される廃材の中には、アスファルトやコンクリートなどの産業廃棄物が存在しています。
これら産業廃棄物は、処理施設で再資源化のための処理をおこない骨材などに再利用されます。
6.現場確認
最後に解体工事が完了したあとに、現場確認をおこないます。この確認で特に問題がなければ解体工事は終了ということになります。
アスファルトの撤去・補修工事の費用相場
ここからは、解体工事などで発生するアスファルトの撤去及び補修工事の費用についてご説明していきます。アスファルトの撤去及び補修の費用は、そのアスファルトの厚みや補修する広さ土地の広さなどで価格が変化します。
また、撤去及び補修は基本的に重機を使用しておこないますが、その使用する重機によっても価格はことなってきます。そこで、使用する重機が違う2つの工法について説明していきます。
IH式工法
IH式工法は電磁誘導加熱を使用してアスファルトで舗装されている部分を加熱することで、アスファルトの接着を解き、アスファルトの撤去を簡単におこなう方法です。この工法でアスファルトを撤去するさいに騒音や振動といったものの発生しづらいという特性があります。
また、アスファルト下の鋼床版に傷をつけることなく、アスファルト撤去をおこなうことができるという利点もあります。しかし、特殊な重機を使用するという点や日数がかかることもあり費用が高くなることもあります。
オーバーレイ工法
アスファルトを一部だけ剥がしたあとに、上から新しいアスファルトを重ねていく手法のことを、オーバーレイ工法といいます。この工法は、作業時間が少なく済むことから、IH式工法に比べると費用が安価になりやすいです。
また、工事の期間そのものも短く済むため、近隣住民への影響も少ないという利点があります。
コンクリートの撤去工法と費用相場
アスファルトと同様に、撤去するコンクリートの厚さや総面積によって費用に違いが出てきます。また、コンクリートの撤去もいくつかの工法が存在しています。
クラッシャー工法
ダイヤモンドカッターを使用して、コンクリートを削っていく工法です。別名ワイヤーソー工法とも呼ばれ、ブロック塀やコンクリート壁の撤去などに適しています。比較的作業音が静かで、場所を選ばないという点が魅力です。
ウォールソー工法
切断するコンクリートに予定切断線を引き、その線に沿って走行レールを設置します。そのあとレールに切断機を取付けて、レールの上を移動させながらコンクリートを切断していく工法です。高い切断制度が要求される、建物の改修や耐震工事などで特に使用されることが多いです。
ウォータージェット工法
超高圧水を利用することで、コンクリートを無振動で削り取るように除去していく工法です。特に老朽化したコンクリートなどを部分除去するさいなどに使用さえることが多いです。昔は、低圧で水量が大きいタンクの機械が主流でしたが、最近では高圧で少ない水量での施工も可能になっているため、環境性などの改善がみられています。
圧搾工法
圧搾機を使って、コンクリートを圧で砕きながら破壊していく工法です。粉塵などが発生しやすい工法ですが、音が比較的小さいというメリットがあります。
新たに同じ素材を施工し直すのならば、補修するのもアリ
ヒビが入ったりめくれてしまっているコンクリートを撤去してから、再度コンクリートを引き直す場合は、同じコンクリート素材を使って補修をおこなうのも1つの手段です。補修工事は、一般家庭の駐車場などのように、1日に何回か車が通過する程度であれば十分な耐久性を得ることができます。
ただし、大型施設などのように、コンクリートに高い耐久性が必要な場合には向かない方法でもあります。
解体工事を行うときに気をつけたいこと
実際に解体工事をおこなっていく場合に、いくつか気をつけておきたいことがあります。ここではそれを紹介していきます。
業者選びに気をつける
解体をおこなってくれる工事業者の選ぶさいには2点ほど気をつけなくてはいけないことがあります。
ひとつは、発生した廃材などの産業廃棄物の処理を法律に沿って正しく処理してくれる業者かどうかという点です。産業廃棄物の取り扱いは法律によって厳しく定められています。そのため、そうした部分の扱いを間違っていると、依頼した側にも責任が出てくる可能性がありますので、その点はしっかりと確認をとるようにしてください。
もうひとつは、費用が高額になりやすい作業のため、業者ごとの金額の振れ幅も大きくなりやすいという点です。頼む側としては、当然ながら費用が安く済む業者に依頼したいです。そのため、実際に依頼する前にいくつかの業者から見積もりをとり、内容を比較して選ぶことをおすすめします。
周囲へのあいさつは必ずおこなう
工事を始めるさいには、その現場の周囲への挨拶を必ずおこなうようにしましょう。解体工事は騒音や振動、粉塵などがすくなからず発生します。それに、搬入や搬出といった作業から大型車両の出入りも頻繁になりやすいため、そうしたことが近隣の迷惑に繋がりやすいです。
そのため、工事を始めるまえに、ご迷惑になる可能性もあることや、もしも問題がある場合の連絡先なども伝えておくことがトラブルを未然に防ぐための方法といえます。
駐車場を解体するときに合わせて気を付けたいこと
駐車場を解体するさいに気を付けておきたいことがいくつかあります。まずは、その駐車場がある土地に以前建物が建っていなかったかを確認するようにしてください。住宅跡地などに駐車場が作られた場合、建物さえ無くなってしまえばよいことから、当時の解体工事が簡単なものであった可能性があります。
そうした解体工事のあとにできた駐車場だと、ガス管や水道管、浄化槽などがコンクリートの下に埋没している可能性が高いです。その他、建物の基礎部分や土間コンクリートなどが残っている可能性もあるため、前もって調べておくことをおすすめします。
また、その土地がもともと埋め立て地だった可能性もあります。その場合、地中に大量のガレキが埋まっている場合があるため、それらの除去及び廃棄をおこなう必要があります。このように、さまざまな昔の工事の跡が残っている可能性があるため、事前に調べておくようにしておくと安心です。
まとめ
アスファルトやコンクリートの撤去手順などについて知ることができたでしょうか?撤去工事をおこなう場合は、現地調査や各種手続き、現場周囲への挨拶などが必要になります。また、工事をおこなうことで発生する廃材の中には、多くの産業廃棄物が含まれます。
それらは法律で定められた正しい処理をおこなう必要があるのも忘れないようにしてください。そのため、依頼する業者には、これらの部分をしっかりと対応・確認してくれるかを調べるようにしておきましょう。
そして、こうした工事の費用は、撤去及び補修をおこなうさいのアスファルトやコンクリートの厚さや総面積などが料金に関わってきます。そのため、一概に撤去費用がいくらかと簡単に調べることはできません。
業者のほうで調査及び見積りを出してもらうことで確認するようにしましょう。その他、駐車場を解体する場合は、地面にガス管や建物の基礎部分、土間コンクリートなどが埋まっていることもあるため、確認するようにしましょう。