アスファルトの補修はオーバーレイ工法

アスファルトの補修はオーバーレイ工法

 

アスファルトの工事には、オーバーレイ工法と呼ばれる手法があります。建築ではデザインコンクリートを使って床を石畳風に仕上げる手法もオーバーレイと呼ばれますが、今回ご紹介するのは舗装道路の工事で行われる工法です。

 

アスファルトは一度敷いた後の定期的なメンテナンスが必要な舗装材料なので、駐車場などをお持ちの方は、今後オーバーレイ舗装が必要になることもあるかもしれません。

 

駐車場などのコンクリート舗装地をお持ちの方は知っておいて損はない工法になりますので、ひとつひとつ見ていきましょう。

 

 

アスファルトのひび割れはオーバーレイ工法で修繕する

アスファルトが劣化したら、オーバーレイという工法で修繕します。

 

オーバーレイ工法とは、劣化したアスファルトの表面に新しいアスファルトを塗り重ねて道路舗装を復元するやり方です。どのような理由でどのような場所に施工されるのか、詳しく見ていきましょう。

 

 

オーバーレイ工法とは

オーバーレイ工法とは、すでに舗装されていたコンクリートが損傷したり、劣化したりした時に表面だけに重ねて舗装を行う工法です。

 

アスファルトはとても便利な舗装材料なのですが、耐摩擦性が低く、継続した負荷がかかるとすぐにへこんだり摩耗したりしてしまうという欠点があります。その害が起きる前に、使用状況によって5~10年のスパンで補修が必要になるのです。その時に行われるのが、表面だけを新しくするオーバーレイ舗装になります。

 

古いアスファルトと新しいアスファルトの間に乳剤という接着剤のようなものを撒くので、二つの間に空間ができてはがれてくるというようなことはありません。

 

 

オーバーレイ工法が行われる場所

オーバーレイ工法が行われるのは、地盤の沈下や路面の劣化が起こっている場所です。道路の表面に連続的に凸凹が起こり、平坦でなくなってしまった場合などにも使われます。

 

何度も施工を重ねてこれ以上オーバーレイができなくなった場合は、切削機で削り取ってから再舗装を行います。

 

トンネルの中など、交通量が特に多くできるだけ寿命を長く保たせたい場所には、砕石マスチックアスファルト舗装という方法でオーバーレイすることもあります。

 

 

アスファルトの上にコンクリートで舗装することも

オーバーレイ舗装ではふつう同じアスファルト混合物を上に重ねるのですが、時にはコンクリートを上に重ねることがあります。黒いアスファルトの上に白いコンクリートを載せるので、「ホワイトトッピング」と呼ばれます。アスファルト舗装で早くわだちが起こってしまう場所への抜本的な補修工法として発案されました。

 

1990年代はじめにアメリカで登場した試験舗装です。コンクリートは5~10㎝以上厚く敷きます。既存アスファルトを切削した後、表面処理を行うなどして切削面の清掃を行い、コンクリートを打設します。日本ではまだ一般的ではありませんが、2001年から埼玉県の県道などで試験舗装が実施されています。

 

 

オーバーレイ工法の流れ

オーバーレイ舗装の工事の流れは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

 

元々あるアスファルトの上に新しいアスファルトを敷くとなると一見単純な作業のように見えますが、注意すべきポイントはさまざまあるのです。使う重機や道路塗装ならではの注意点とともにご紹介します。

 

 

1.既存舗装版をチェック

既存舗装版が厚く、15㎝を越えてしまう場合は、コンクリート圧砕機か大型ブレーカーを使って舗装版を破砕します。コンクリート圧砕機も大型ブレーカーも、油圧ショベル機の先端に取り付けて使用します。圧砕機はハサミ型で、比較的軽量で小型のため狭い範囲で使いやすいです。

 

一方大型ブレーカーは打撃機で、それを先に取り付けたショベル機はコンクリート建造物の解体などにも使われます。

 

駐車場などの施工では、排水口などを設置したい場合はこの段階で溝を作っておきます。排水溝枡があるときはモルタルでかさ上げします。

 

 

2.路床と路盤を敷き均す

アスファルトの下地になる路床と路盤の整地を行います。地面は最下層から「路体」「路床」「下層路盤」「上層路盤」「基層」「表層」にわかれていて、普段自動車などは表層を走っていることになります。路床ははるか深くに存在し、道路の土台としてとても大切な部分です。

 

不陸の正整には、ブルドーザーやモーターグレーダーが良く使われます。

 

路床に使用されるのは主に砂です。敷き均しではマカダム、タイヤローラーを主に使って表面の転圧をします。

 

 

3.敷き均しと転圧作業

次に、アスファルト混合物を搬入します。アスファルト合剤を積み込み走行しながら式流しできるアスファルトフィニッシャーをいう建設機械で敷均しを行います。10tのロードローラーでアスファルトが熱いうちに踏み固めて安定させる初期転圧を行います。

 

そして、20tほどのタイヤローラーで二次転圧を行います。ニーディング(こね返し)作用によって、混合物の中にある粗骨材の配列を安定化し、丈夫なアスファルトを作ることができます。

 

 

目的によって変わるオーバーレイ工法

目的によって変わるオーバーレイ工法

 

一口にオーバーレイ工法といっても、いくつか種類があります。「切削オーバーレイ」と「薄層アスファルト舗装」です。どちらも、表面のアスファルトが劣化してしまった(もしくはしてしまう)ことに対する対策なのですが、各工法には果たしてどのような違いがあるのでしょうか。

 

 

切削オーバーレイで高低差がでない舗装ができる

オーバーレイ工法との違いは、路面の高さを変えたくないときなどに、必要最低限の厚みだけを切削できることです。下地が荒れているときや沿道の建物との関係性から切削する可能性があるときに使われます。

 

道路の切削から舗装までを即日で仕上げることができるので、交通にも影響を与えにくい、アスファルトの速乾性が生きた工法になっています。

 

 

薄層アスファルト舗装で道路のひび割れが予防できる

薄層アスファルト舗装は、すでに作ってある舗装の上に、アスファルト混合物を厚さ2~3㎝の薄層にして舗装する方法です。完全にアスファルトが使えなくなってしまう前に予防として行われることが多い工法になります。

 

たわみ性や水密性、排水性など機能性を持ったアスファルト混合剤もあります。切削なしでできるうえ、使う材料も少ないので低コストな工法です。

 

 

まとめ

オーバーレイ工法のポイントについては以下の通りです。

 

 

● 劣化してひびが入るなどしたアスファルトの上に新しいアスファルトを塗り重ねる方法

● 地盤沈下や路面の劣化、連続的な凸凹が起こっている道路に使う

● 既存アスファルトの上にコンクリートを重ねる「ホワイトトッピング」という手法もある

● 既存舗装版を確認→路床・路盤を敷きならす→敷き均しと転圧の順番で施工

● 切削オーバーレイでは路面の高さを変えたくないときなどに有効

● アスファルトの劣化を食い止めるための安価な施工には、薄層アスファルト舗装

 

 

アスファルト自体は工事費が安く静音性も撥水性もあり、なおかつ工事後短時間で走行可能になるので、とても有用な特性を持っています。しかし、そんな便利なアスファルトにもへこんだり擦り減ったりしやすいという短所があり、定期的なメンテナンスが必要になります。

 

便利なアスファルトの欠点をフォローするのが、オーバーレイ工法という技術なのです。

 

 

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